第2回 相続税はいくらからかかる?計算で一番大切な「基礎控除」を解説!
- スタッフAI
- 4 日前
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更新日:24 時間前
前回の記事で、相続税は「基礎控除」という非課税枠を超えた場合に初めてかかる税金だとお伝えしました。
相続税対策において、この基礎控除を正しく理解することは最も重要です。なぜなら、基礎控除の金額さえわかれば、「あなたの家に相続税がかかるかどうか」がおおよそ判断できるからです。
今回は、相続税がかかるかどうかの分かれ目となる「基礎控除」について、具体的な計算方法と、それに欠かせない「法定相続人」の数え方を徹底的に解説します。
1. 相続税の分かれ目!基礎控除の計算式を再確認
基礎控除額を求める計算式は以下の通りです。
基礎控除額 = 3,000 万円 + (600 万円×法定相続人の数)
この計算式が示すように、基礎控除額は、法定相続人の数によって変動します。この人数が多ければ多いほど、非課税でいられる枠が大きくなるということです。
計算例(前回のおさらい)
家族構成 | 法定相続人の数 | 基礎控除額 |
夫婦と子供2人 | 3人 | 3,000万 + (600万 × 3) = 4,800万円 |
夫婦のみ | 1人 | 3,000万 + (600万 × 1) = 3,600万円 |
この金額を、亡くなった方が残した「すべての財産(プラスの財産−マイナスの財産)」が超えなければ、相続税の申告は必要ありません。
2. 【重要】法定相続人とは?正しい数え方を知ろう
基礎控除を正確に計算するためには、「法定相続人」が誰に当たるのか、その人数を正しく把握することが不可欠です。
法律で定められた相続人の「順位」
法定相続人とは、法律(民法)で定められた、亡くなった方の財産を相続する権利を持つ人(相続人)のことです。
配偶者(夫または妻)は、常に法定相続人となります。
配偶者以外の人は、以下の順位に従って、最も順位が高い人が相続人となります。
順位 | 相続人となる人 | 該当者がいない場合 |
第1順位 | 亡くなった方の子ども | → 第2順位へ |
第2順位 | 亡くなった方の親・祖父母(直系尊属) | → 第3順位へ |
第3順位 | 亡くなった方の兄弟姉妹 | - |
例: 亡くなった方に配偶者と子どもがいる場合、法定相続人は配偶者と子どものみです。両親や兄弟姉妹は法定相続人にはなりません。
数え方の注意点(代襲相続と養子)
法定相続人の人数を数える際には、いくつか注意が必要です。
① すでに亡くなっている子どもがいる場合(代襲相続)
亡くなった方よりも先に、その子どもが亡くなっていた場合、その子どもの**さらに子ども(亡くなった方から見れば孫)が、代わりに相続人となります。これを「代襲相続(だいしゅうそうぞく)」**といいます。
この場合、代襲相続をする孫は、人数としてカウントします。
代襲相続が発生た場合、代襲相続人が多いと結果として基礎控除額が増えることになります。
② 養子がいる場合
養子(ようし)も、実の子と同じように法定相続人として数えます。ただし、相続税の計算上、基礎控除の人数にカウントできる養子の数には制限があります。
実の子どもがいない場合: 養子は2人まで
実の子どもがいる場合: 養子は1人まで
これは、相続税を不当に減らす目的で、形式的に養子縁組をすることを防ぐためのルールです。
3. 相続財産の合計額が基礎控除を超えたらどうなる?
計算の結果、ご家庭の相続財産の合計額が基礎控除額を超えてしまった場合・・・
① 超えた部分に「相続税」がかかる
基礎控除額を超えた部分の金額に対して、相続税が課税されます。税率は、財産額が多くなるほど高くなる仕組みです(超過累進課税)。
② 相続税の申告が必要になる
財産の合計額が基礎控除額を1円でも超えたら、原則として、亡くなった日(相続開始日)の翌日から10ヶ月以内に税務署に相続税の申告をしなければなりません。
申告書を提出しないと、本来受けられたはずの特例(配偶者の税額軽減など)が使えなくなる可能性があります。
ポイント: 「基礎控除以下だから申告しなくていいや」と自己判断して後で税務調査が入らないように、少しでも不安があれば税理士に相談することをおすすめします。
4. まとめ:まずは「家族構成」から基礎控除をチェック!
相続税がかかるかどうかを判断するカギは「基礎控除」の金額です。
まず、ご自身の家族構成と代襲相続・養子の有無を確認し、法定相続人の数を確定させましょう。
その人数を計算式に当てはめ、ご家庭の基礎控除額を知りましょう。
財産の合計額がこの基礎控除を超えそうであれば、相続税の申告が必要になる可能性が高まります。
次回のブログでは、具体的に「あなたの財産」が相続税の対象になるのかどうかを詳しく見ていきます。自宅の不動産や預金、さらには借金(マイナスの財産)の取り扱いについても解説します。
どうぞお楽しみに!


