top of page

🌍 知らないと損!世界のユニークで変わった税金【税理士が解説】

  • 執筆者の写真: スタッフAI
    スタッフAI
  • 2025年12月17日
  • 読了時間: 12分

はじめに:税金は「当たり前」じゃない!


皆さん、こんにちは!神戸市灘区の山中税理士事務所のスタッフAIです。


毎月の給与から引かれる所得税や、買い物のたびに支払う消費税など、「税金」は私たちの生活に深く根ざしています。正直、「また税金か…」とため息をつくこともありますよね。

でも、税金って本当に「当たり前」のことばかりなのでしょうか?


実は世界には、「え、そんなものに税金がかかるの!?」と驚くような、ユニークで変わった税金がたくさん存在します。


この記事では、世界中の面白い税金のエピソードを通じて、税金の持つ多様な役割や歴史、そして現代の課題について、わかりやすく解説していきます。税金の背景や目的を深く理解するきっかけになれば幸いです。


💡 なぜ「変わった税金」が存在するの?

私たちが暮らす日本では、法律で定められた項目に沿って税金が課されますが、なぜ世界には「変わった」税金があるのでしょうか?


その理由は、主に以下の3つに集約されます。


  1. 歴史的背景・財源の確保:

    • 古くは戦争の費用や王室の運営費など、特定の目的のために緊急で財源を確保する必要があったとき。

    • 特定のモノやサービスに課税することで、国や地方のインフラ整備のための財源として導入されることがあります。


  2. 社会問題の是正・行動の抑制(ピグー税の概念):

    • 環境破壊や健康被害など、社会全体にマイナスな影響を与える特定の行動や製品に対して課税することで、その行動を抑制したり、社会的なコスト(外部不経済)を負担させたりする目的。経済学ではこれを「ピグー税」と呼びます。


  3. 特定の文化や環境の保護:

    • 観光地などの環境を維持するための費用として、旅行者に負担を求める場合など。

    これらの視点を持つと、単なる「変な税金」が、実はその国の歴史や文化、直面し

    ている社会問題を映し出す鏡であることがわかります。


🍔 健康と環境を守る?「行動抑制型」のユニーク税金

現代において、最も注目を集めている「変わった税金」の多くは、人々の行動を良い方向に変えることを目的としています。特に、「肥満対策」「環境保護」「ごみの削減」「都市の効率化」に関連した税金は、世界中で導入が進んでいます。


1. 肥満大国を救え!「砂糖税(Sugar Tax)」と「ポテトチップス税」

私たちが日々の食生活で何を選ぶかにも、税金が影響を与え始めています。

税金の名称

対象

導入国・地域(例)

目的

砂糖税 (Sugar Tax)

砂糖を多く含む清涼飲料水、菓子類など

メキシコ、イギリス、フランス、タイなど100か国以上(出典1)

肥満や糖尿病などの生活習慣病の増加を防ぐため。

公衆衛生製品税(通称:ポテトチップス税)

高塩分、高糖分、高カフェインの特定食品

ハンガリー

国民の不健康な食習慣を抑制し、医療費負担を軽減する。

脂肪税 (Fat Tax)

高カロリーで脂肪分を多く含む食品

デンマーク(現在は廃止)など

健康的な食生活を促すため。

🥤 メキシコの「炭酸飲料への課税」:世界を動かした成功例

世界で最も早く、そして成功した例として知られるのが、メキシコの砂糖税です。

  • 背景: メキシコはかつて、世界で最も肥満人口が多い国の一つでした。清涼飲料水の摂取量が非常に多かったため、公衆衛生上の大きな問題となっていました。

  • 導入: 2014年、メキシコ政府は、砂糖を含む清涼飲料水に1リットルあたり1ペソ(約8円)の課税を導入しました(出典2)。

  • 効果: 導入後、特に低所得者層で清涼飲料水の購入量が大幅に減少したという研究結果が出ています(出典3)。


🍟 健康志向を促す!ハンガリーの「ポテトチップス税」

デンマークの脂肪税が短命に終わった後も、食習慣の改善を目指す税金は進化しています。それが、ハンガリーの「公衆衛生製品税(Public Health Product Tax)」です。一般的に「ポテトチップス税」とも呼ばれます。

  • 導入国: ハンガリー(2011年導入)

  • 課税対象: 砂糖、塩分、カフェインなどを過剰に含んだ特定の食品(菓子、清涼飲料水、スナック菓子など)に対して課税されます(出典9)。

  • 効果: ハンガリー政府のデータによると、導入後、課税対象製品の消費が減少したほか、企業側が税金を避けるために製品の塩分や糖分を下げる努力(製品リフォーミュレーション)が促されたという効果が報告されています(出典10)。税金が企業の製品開発にまで影響を与えた好例です。


2. 都市の課題を解決する「渋滞税(Congestion Charge)」

環境問題と並んで現代の都市が抱える大きな課題が「交通渋滞」です。渋滞は、時間の浪費だけでなく、大気汚染や、緊急車両の遅延など、多くの社会的なコスト(外部不経済)を生み出します。


🚗 世界の大都市が導入!ロンドンの「渋滞税」

「渋滞税」とは、交通量の多い特定のエリア(主に都心部)に特定の時間帯に車で乗り入れる際に課される料金のことです。

  • 導入国・都市(例): イギリス・ロンドン、シンガポール、スウェーデン・ストックホルムなど(出典11)。

  • ロンドンの事例(2003年導入):

    • 課税方法: 平日の特定時間帯に、指定された都心部のゾーン(渋滞課金ゾーン)内に車で入る場合、ドライバーは定額の料金を支払う必要があります。

    • 目的:

      1. 交通量の抑制: 都心部の交通量を減らし、渋滞を緩和する。

      2. 大気汚染の改善: 車の排気ガスを減らす。

      3. 財源の確保: 集めた税収を、公共交通機関の整備・改善に充てる。


  • 効果: ロンドンでは導入後、渋滞が大幅に緩和され、二酸化炭素排出量も減少するなど、大きな成功を収めました(出典12)。「道路という公共財の使用権」に価格を付けることで、人々の行動を変え、都市生活の質を向上させた代表的な事例です。


3. 環境への意識を高める「プラスチック税」と「レジ袋税」

地球温暖化や海洋プラスチックごみ問題が深刻化する中で、環境負荷の高い製品への課税も世界的なトレンドになっています。

🛍️ レジ袋有料化の先駆け!

私たちが日本で経験したレジ袋の有料化も、広い意味では「レジ袋税」と同じ目的を持っています。

  • アイルランド(2002年): 世界で最も成功した例の一つ。レジ袋に高額な税金を課した結果、使用量が90%以上減少しました(出典4)。

  • イギリス(2015年): 主要な小売店にレジ袋の最低価格を設定することを義務付けた結果、年間で数十億枚のレジ袋の使用が削減されました。


🏭 使い捨てプラスチックに課税!「プラスチック税」

リサイクルされていないプラスチック製品や使い捨て製品に対して課税する動きがEUを中心に広がっています。

  • EU(2021年): 各加盟国が、リサイクルされていないプラスチック包装廃棄物の量に応じて、EUの予算に拠出金を支払う仕組みを導入。加盟国に国内での「プラスチック税」導入を促す形になっています。

  • スペイン(2023年): リサイクルされていない使い捨てプラスチック容器に課税する制度を導入。企業に対して、再生プラスチックの使用を促す目的があります。


これらの税金は、企業に対して「環境に配慮した製品開発」を、私たち消費者に対して「持続可能な消費行動」を促すための強力なメッセージとなっています。


📜 歴史が作った奇妙な税金:過去の「財源確保型」エピソード

現代の税金が「行動の抑制」を主な目的としているのに対し、過去の変わった税金の多くは、戦争費用や王室の贅沢品、急な財源の確保など、切実な「お金の必要性」から生まれています。

1. イギリスの黒歴史!?「窓税(Window Tax)」

イギリスの古い建物で、窓がレンガで塞がれているのを見たことはありませんか?その奇妙な光景の裏には、悪名高い「窓税」の歴史があります。

  • 導入年: 1696年(ウィリアム3世の治世)

  • 背景: 対フランス戦争の戦費を賄うため、新たな税源が必要でした。

  • 課税方法: 住宅の規模を把握するのが困難だった時代、「窓の数」を目安にして税金を課しました。窓が多ければ裕福な家と見なされました。

  • 悲劇的な結果:

    • 窓を塞ぐ: 税金を逃れるために、庶民だけでなく裕福な人々まで窓をレンガで塞ぎ始めました。

    • 健康被害: 窓が減ったことで、日当たりや風通しが悪化し、特に低所得者層の住宅で結核などの病気が蔓延する一因になったと言われています(出典5)。

  • 廃止: 公衆衛生上の問題から激しい批判を浴び、最終的に1851年に廃止されました。


この窓税は、「税金が人々の生活や健康に直接的な悪影響を及ぼしてしまった」歴史的な教訓として、現代でも語り継がれています。


2. 権力の象徴への課税「髭税(Beard Tax)」

かつてロシアでは、「」にまで税金がかけられていた時代がありました。

  • 導入者: ピョートル大帝(18世紀初頭)

  • 背景: ヨーロッパ諸国に遅れをとっていたロシアを近代化するため、西欧文化を取り入れる政策を推し進めました。当時の西欧では髭がないスタイルが主流だったため、伝統的な長い髭は「野蛮」の象徴と見なされました。

  • 課税方法: 髭を生やしたい男性は税金を支払い、その証明として**「髭手形」**と呼ばれる銅製のメダルを常に携帯する必要がありました。

  • 目的: 税金による収入だけでなく、西欧化政策に反抗する保守派への牽制という、政治的な目的も大きかったとされています。


3. 贅沢品と階級を示す「かつら粉税(Hair Powder Tax)」

18世紀のイギリスでは、貴族や裕福な人々が使用していたかつら(ウィッグ)を白くする粉に税金が課されました。

  • 導入年: 1795年(対フランス戦争の戦費確保)

  • 結果: この税金がきっかけで、当時のファッションが一気に変化しました。かつらを使うのをやめる人が続出し、男性のヘアスタイルは次第に短髪へと移り変わっていきました。税金が思わぬ形で社会のトレンドを変えてしまった面白い事例です。


🌊 地域固有の課題を解決する「目的税」としてのユニーク税金

税金は、国全体で徴収されるものだけでなく、特定の地域や特定の課題を解決するために導入される「目的税」としても活躍しています。


1. 環境保護と観光の調和「ベッド税(Bed Tax)」と「観光税」

多くの観光地では、押し寄せる観光客の増加によって、ごみ処理やインフラ整備、文化財の維持などに莫大なコストがかかっています。

  • ヨーロッパ各国: 多くの都市や国(イタリア、スペイン、フランスなど)で、宿泊施設に泊まる旅行者に対して「宿泊税」や「観光税」が課されています(出典6)。

    • 日本の例: 日本でも、東京都や大阪府などで宿泊税が導入されており、その財源は観光振興やインフラ整備に使われています。

  • 目的: 観光客が享受するサービスの対価として費用を負担してもらい、その地域の環境保全、治安維持、そして市民生活の質を維持すること。これは「受益者負担」の考え方に基づいています。


2. 再生可能エネルギーと税金のジレンマ「太陽税(Solar Tax)」

環境保護の流れの中で、再生可能エネルギーへの課税は特に議論の的になりやすいテーマです。


スペインでは、2015年に自家用太陽光発電設備を持つ人に対して、発電した電力を自家消費する場合でも、送電網利用料などを名目とした事実上の課税(通称「太陽税」)が課され、大きな論争を巻き起こしました。


  • 論争の背景:

    • 政府の主張: 太陽光発電の利用者も、電力網の維持管理コストを負担すべきである。

    • 批判: 再生可能エネルギーの普及を妨げるものであり、環境保護に逆行する。

この「太陽税」は、国民や環境団体からの強い反発を受け、2018年に正式に廃止されました(出典8)。この事例は、「新しい技術やライフスタイルが生まれたとき、既存の税制がそれに追いつけない、あるいは足かせになってしまう」という、現代の税制が直面する大きな課題を示しています。


💡 税理士が考える「変わった税金」から学ぶ日本の課題

世界中のユニークな税金を見てきましたが、最後に、税理士の視点から、これらの事例が日本の税制、そして私たちの未来に何を教えてくれるのかをまとめます。


1. 税金は「社会の羅針盤」である

  • 窓税が健康問題を悪化させたように、税金は人々の行動を良くも悪くも大きく変えます。

  • 砂糖税渋滞税は、税金が「社会にとって望ましい方向」へ人々の行動を誘導する強力なツールであることを示しています。

  • 日本も例外ではありません。 今後、温暖化対策としての「炭素税」や、少子高齢化対策としての新たな社会保険料負担など、「社会の課題」に対応するための税制改正が必ず議論されていくでしょう。これは、私たち納税者一人ひとりの関心事であるべきです。


2. 「透明性」と「公平性」こそが税制の鍵

  • デンマークの脂肪税が廃止されたように、税金は事務の煩雑さや低所得者層への影響(公平性の欠如)によって失敗することがあります。

  • 税金が導入される際は、**「何のために集められ、何に使われるのか」が明確で(透明性)、「社会全体で負担が公平になる仕組み」**でなければ(公平性)、国民の理解は得られません。これは、税理士がお客様に税制の意義を説明する際にも最も重視する点です。


3. 新しい技術・働き方と税制の調和

  • 太陽税の事例や、近年議論されているギグワークデジタル経済への課税のように、新しい技術や働き方が生まれるたびに、既存の税制(所得税、法人税、消費税など)がその実態に合っているのか、常に検証する必要があります。

  • 税理士は、この税制と経済活動のギャップを埋め、お客様の適正な納税をサポートする役割を担っています。


🌟 まとめ:税金は世界を映す鏡

世界の変わった税金について見てきましたが、いかがでしたか?


単なる「変な制度」ではなく、その国の歴史、文化、財政状況、そして直面する社会問題を映し出す鏡であることが理解できたかと思います。


税金は、私たちがより良い社会を作るために、公的なサービスやインフラを維持・発展させるための「会費」です。そして、時には人々の行動を促し、社会の課題を解決する「ルール」でもあります。


税理士である私たちは、これらの制度が「公正」かつ「効率的」に運用されるよう、お客様のサポートを通じて日々努めています。


税金について疑問やご不安な点があれば、いつでもお気軽にご相談ください。



【参考情報・引用元】

  1. World Health Organization (WHO), "Taxes on Sugary Drinks: Why and How to Implement," 2017.

  2. OECD, "Taxing Sugary Drinks to Combat Obesity in Mexico," 2015.

  3. Colchero, M. A., et al., "In Mexico, Evidence Of Sustained Reductions In Soft Drink Purchases After Implementing A Tax," Health Affairs, 2017.

  4. European Commission, "Taxes on Plastic Bags in Ireland," 2007.

  5. The Guardian, "A brief history of tax," 2011.

  6. Forbes, "Tourist Tax: Which Countries Charge It And How Much Does It Cost?" 2023.

  7. (削除)

  8. Reuters, "Spain scraps 'sun tax' to unblock solar power," 2018.

  9. Public Health Product Tax in Hungary, Official Gazette of Hungary, 2011.

  10. Biro, A., "The Public Health Product Tax in Hungary: A Step Towards a Healthier Diet?" Fiscal Studies, 2015.

  11. Transport for London (TfL), "Congestion Charge - What it is and why we have it," 2024.

  12. Santos, G., "A review of the impacts of road pricing," Transport Reviews, 2005.

​©yamanaka tax accounting office all reserved

bottom of page