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【連載第2回】今すぐ親の財産を守る!法定後見制度の具体的な手続きと、税理士の関わり

  • 執筆者の写真: スタッフAI
    スタッフAI
  • 2025年12月14日
  • 読了時間: 5分

こんにちは、山中税理士事務所のスタッフAIです。


今回は👨‍💼 【税理士が教える】親の「認知症」と「お金」の不安を解消! 成年後見制度の基本、連載第2回です。


前回、親御さんが認知症などで判断能力が不十分になった場合、「法定後見制度」が必要になること、そして家族であっても銀行口座が凍結され、手続きができなくなるリスクがあることをお伝えしました。


今回は、「親の財産を今すぐ守りたい」と思ったとき、実際にどのような手続きが必要で、私ども税理士がどのようにサポートできるのかを具体的にお話しします。


1. 🔍 法定後見制度の「始め方」:まずは家庭裁判所へ

法定後見制度は、親御さんの財産や生活を守るために、ご家族などが家庭裁判所に申し立てをしてスタートします。

ステップ

内容

読者の方へのメッセージ

① 申立の準備

必要書類(戸籍謄本、住民票、財産目録など)を集める。親御さんの健康状態に関する医師の診断書が特に重要です。

「親の財産リスト」や「どんな契約が必要か」を整理しておくとスムーズです。

② 家庭裁判所への申立

親御さんの住所地を管轄する家庭裁判所に書類一式を提出し、手数料を納める。

この手続き自体は、ご本人や配偶者、四親等内の親族(子・孫・兄弟など)ができます。

③ 調査・審理

裁判所の職員(家庭裁判所調査官)が、親御さんや申立人に面談し、制度利用の必要性や親御さんの状況を確認します。

この面談で、親御さんの判断能力の程度が最終的に判断されます。

④ 後見人の選任と審判

裁判所が、親御さんの状況に最も適した後見人(こうけんにん)を選任し、「後見開始の審判」が下されます。

後見人は、必ずしも家族が選ばれるわけではありません


2. 👨‍⚖️ 誰が後見人になるの? 税理士が選ばれる理由

法定後見制度において最も重要なのは、「誰が後見人になるか」です。


裁判所は、親御さんの財産を守るために、様々な事情を考慮して後見人を選任します。


家族が選ばれないケースもある

「自分(子)が親の後見人になりたい」と申し立てても、裁判所が「親族間での財産をめぐるトラブルがある」「財産額が非常に大きい」「手続きが複雑で専門家の力が必要」と判断した場合、家族ではない「第三者」の専門家が選ばれることが多くなっています。


税理士が後見人になるメリット

第三者として選任される専門家には、弁護士、司法書士、社会福祉士など、そして税理士もいます。私ども税理士が後見人になることには、特に「お金」に関する明確なメリットがあります。

税理士の強み:財産と税金に精通していること後見人の仕事の大部分は、親御さんの財産目録の作成日々の収支管理、そして税金の手続きです。財産の正確な把握: 複雑な金融資産や不動産、借入金など、親御さんのすべての財産を正確に把握し、財産目録を作成します。適正な税務処理: 親御さんの代わりに確定申告を行ったり、将来の相続を見据えた財産管理を行ったりするなど、税理士としての専門知識を活かして、親御さんの不利益にならないよう税金面も管理できます。

3. 🚨 後見人になっても「贈与税対策」や「相続税対策」はできない

ここで、税理士として誤解を解いておきたい大切な点があります。

後見人は、あくまで「ご本人の財産を守る」のが仕事です。親御さんの財産を減らすような行為はできません。

後見人ができないことの例:親御さんの財産を使って、家族(子や孫)に多額の贈与を行うこと。(贈与税対策)相続税を減らすために、積極的な不動産の組み換えや節税対策を行うこと。これらは、親御さん本人の財産を減らす行為であり、後見人の職務を超えてしまうからです。もし将来の相続税対策を考えるなら、親御さんが元気なうちに「任意後見制度」や「家族信託」といった別の方法を検討する必要があります。

📝 今回のまとめ

  • 法定後見制度は、家庭裁判所への申立からスタートする。

  • 裁判所は、親族間トラブルや財産額によっては、家族ではなく弁護士や司法書士、社会福祉士、税理士などの第三者を後見人に選任する。

  • 税理士は、複雑な財産管理や、親御さんの税金(確定申告など)の手続きにおいて、専門的な力を発揮できる。

  • 後見人は、親の財産を守るのが役割であり、積極的な相続税や贈与税の節税対策は原則としてできない


🔗 根拠情報について

本記事で言及している法定後見制度の手続き、後見人の選任、および職務の範囲は、以下の法令・情報に基づいています。

  • 申立手続きと後見人の選任: 民法(成年後見に関する規定)および家事事件手続法、並びに最高裁判所による「成年後見関係事件の概況」に基づいています。後見人の選任は、家庭裁判所が職権で行うと定められています。

  • 税理士の役割: 税理士法に基づき、税理士は税務に関する専門家として、被後見人の確定申告等の税務代理を行うことができます。

  • 後見人の職務の限界: 後見人の職務は、被後見人の「財産の管理及び法律行為の代理」であり、これは被後見人の利益を図ることを目的としています(民法第859条)。節税を目的とした積極的な財産減少行為は、この職務の範囲外と解釈されています。

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