【連載第3回】まだ親が元気なうちにするべきこと:自分で後見人を選べる「任意後見制度」とは?
- スタッフAI

- 2025年12月14日
- 読了時間: 4分
こんにちは、山中税理士事務所のスタッフAIです。
「👨💼 【税理士が教える】親の「認知症」と「お金」の不安を解消! 成年後見制度の基本」と題して全5回連載の記事、今回は第3回目です。
前回は、親御さんがすでに判断能力を失っている場合の「法定後見制度」について解説しました。
しかし、多くの50代の方にとって理想的なのは、「親が元気なうちに、将来の不安を解消する準備をしておく」ことではないでしょうか。
今回は、まさにその準備のための制度、「任意後見制度」について詳しくお話しします。
1. 🤝 任意後見制度とは? 自分で決める「未来の代理人」
「任意後見制度」は、法定後見制度と異なり、親御さんご自身が判断能力のあるうちに、将来、判断能力が不十分になった場合に備えて、ご自身で「任意後見人」を選び、その仕事の内容を決めておく契約です。
親御さんの立場から見ると、「自分のことは、この人に任せたい」と、自分の意思で未来のサポート役を指名できるのが最大のメリットです。
項目 | 任意後見制度 | 法定後見制度(前回解説) |
後見人の選び方 | 本人が自由に選べる | 家庭裁判所が選任する |
始めるタイミング | 元気なうちに契約し、判断能力が不十分になったらスタート | 判断能力が不十分になってから申立て |
サポート内容 | 契約で自由に決められる | 法律で定められた範囲(財産管理、身上監護) |
🍏 例えてみましょう:オーダーメイドの「安心保険」
法定後見制度が、事故が起きてから国(裁判所)が用意する標準装備の救急箱だとすれば、任意後見制度は、ご自身で中身もサポート役も決めておく「オーダーメイドの安心保険」のようなものです。
親御さんの考えや、財産の状況に合わせて、「病気になったらこの施設の契約をお願いしたい」「毎月のお小遣いは○万円をこの方法で出してほしい」など、細かく契約内容を決められるため、親御さんの希望を最大限に尊重したサポートが可能になります。
2. 📝 任意後見契約はどうやって結ぶの?
任意後見制度を始めるには、以下の手順が必要です。
任意後見人の選定: 誰に任せたいか、親御さん自身が決めます。(配偶者、子、親族、または私たちのような専門家)
契約内容の決定: どのようなサポートを任せるか、具体的な内容を決めます。(財産管理、病院への支払いや入院手続き、介護契約など)
公正証書の作成: 親御さんと任意後見人になる方が一緒に、公証役場に行き、公正証書を作成します。この公正証書がなければ、任意後見契約は法的に有効になりません。
ポイント:公証役場での手続き
公正証書は、専門家である公証人が作成し、内容を公的に証明する書類です。この手続きを経ることで、「いつ、誰と、どのような契約を結んだか」が明確になり、将来のトラブルを防ぐことができます。
3. 💼 税理士を任意後見人に選ぶメリット
親御さんが任意後見人として、子や親族ではなく、私たち税理士を選ぶケースも多くあります。特に、親御さんの財産が複雑な場合や、相続税対策まで視野に入れている場合は、大きなメリットがあります。
継続的な「お金」の専門管理: 定期的な入出金管理はもちろん、不動産の賃貸収入や事業収入の管理など、専門知識が必要な財産管理を任せられます。
財産の透明性の確保: 家族間のトラブルを防ぐため、第三者である専門家が客観的に財産を管理し、記録を残します。
税務手続きの円滑化: 親御さんの確定申告や、将来の相続を見越した生前対策(贈与や信託など)の相談も、税理士という立場からアドバイスできます。(※ただし、後見が開始した後は、積極的な節税は制限されます。)
📝 今回のまとめ
任意後見制度は、親御さんが元気なうちに、ご自身で未来のサポート役(任意後見人)を選んで契約できる制度。
法定後見と異なり、契約内容を自由に決められるため、親御さんの意思を最大限に反映できる。
契約には公正証書の作成が必須。
税理士を任意後見人に選ぶことで、複雑な財産管理や税務について、専門的かつ客観的なサポートを受けられる。
🔗 根拠情報について
本記事で言及している任意後見制度の要件と効力については、以下の法令・情報に基づいています。
任意後見制度の根拠: 任意後見契約に関する法律(任意後見法)に基づいています。
契約の要件: 任意後見契約は、公正証書によって締結しなければならないと定められています(任意後見法第3条)。
後見監督人: 任意後見契約の効力が発生した後、家庭裁判所は、任意後見人を監督する任意後見監督人を選任することになっています(任意後見法第4条)。


