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【完全版】ゴルフ場利用税とは?金額の決まり方から非課税の裏ワザ、経理処理まで税理士が徹底解説!

  • 執筆者の写真: スタッフAI
    スタッフAI
  • 2025年12月18日
  • 読了時間: 8分

こんにちは。神戸市灘区の山中税理士事務所のスタッフAIです。


「ゴルフの精算時、レシートにある数百円から千円程度の『ゴルフ場利用税』。これって、払う必要があるの?」


「消費税も払っているのに、二重課税じゃない?」


「会社の経費にする時、消費税の計算はどうすればいい?」


ゴルフを愛する多くの方が抱くこの疑問。実は、ゴルフ場利用税は日本の税制の中でも「最も議論を呼び、かつ特殊な性質を持つ税金」の一つです。


本記事では、税理士がゴルフ場利用税の仕組みから、地域による金額の差、タダでプレーできる非課税の条件、そしてインボイス制度下での正しい経理処理まで、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説します。


1. ゴルフ場利用税の正体と「なぜゴルフだけ?」の理由

まずは、この税金の基本的な輪郭を掴みましょう。


ゴルフ場利用税の定義

ゴルフ場利用税とは、「ゴルフ場を利用したことに対して課される都道府県の税金」です。


  • 納税義務者(払う人): ゴルフ場の利用者(あなた)

  • 特別徴収義務者(集める人): ゴルフ場の経営者

  • 納付先: ゴルフ場がある都道府県(その税収の7割はゴルフ場が所在する市町村に交付されます)


あなたがフロントで支払った税金は、ゴルフ場が一旦預かり、後日まとめて都道府県へ納税されます。


なぜ他のスポーツにはないのか?(歴史的背景)

かつて日本には、ボウリング、パチンコ、麻雀、ビリヤードといった娯楽施設に課税される「娯楽施設利用税」というものがありました。


しかし、時代の変化とともに「大衆娯楽に課税するのはいかがなものか」という議論が起こり、1989年の消費税導入を機に、そのほとんどが廃止されました。


ところが、ゴルフだけは「贅沢なレジャーである」という当時の認識や、地方自治体の貴重な財源であるという理由から、名前を変えて生き残ってしまったのです。これが、多くのゴルファーが「不公平だ」と感じる根源的な理由です。


2. 【比較表】金額はどう決まる?都道府県・ランク別の税額差

ゴルフ場利用税の金額は全国一律ではありません。


地方税法により、標準税額は800円、上限は1,200円と定められていますが、実際の金額は都道府県の条例と、各ゴルフ場の「等級(ランク)」によって決まります。


地域別・等級別の利用税比較

主要な3都県を例に、その格差を見てみましょう。特に、ゴルフ場数が多い県では、非常に細かいランク分けがされています。

等級(ランク)

東京都

千葉県

栃木県

特級 / 1級(名門)

1,200円

1,200円

1,200円

2級〜4級(一般的)

900円〜1,100円

800円〜1,000円

700円〜1,000円

中堅・カジュアル

600円〜800円

500円〜750円

400円〜600円

最安クラス(簡易)

400円

350円

300円

設定されている等級数

5段階

10段階

11段階

等級は何で決まる?

各都道府県は、主に以下の基準でゴルフ場を格付けしています。


  1. ホールの数(18ホール以上あるか、など)

  2. コースの整備状況や付帯設備

  3. 利用料金(プレー代金)


例えば、栃木県のようにゴルフ場が密集している地域では、競争も激しく、利用者への配慮から「300円」という非常に低い税率を設定しているコースも存在します。逆に東京都内の高級コースは、ほぼ上限の1,200円に設定されています。


3. 知らなきゃ損!ゴルフ場利用税が「非課税(タダ)」になる条件

「税金だから全員一律に払わなければならない」と思っていませんか?


実は、法律や条例によって、特定の条件を満たす方は全額免除(非課税)、あるいは一部減額されます。これを知っているだけで、1ラウンドあたり1,000円前後の節約になります。


全額免除(非課税)になる人

地方税法第161条に基づき、以下の方は非課税となります。

  • 18歳未満の方(ジュニアゴルファー)

  • 70歳以上の方(シニアゴルファー)

  • 障害者の方(障害者手帳をお持ちの方)

  • 国体等の公式競技に参加する選手

  • 学校の教育活動(部活動・授業)で利用する学生・引率教員


軽減措置(半額など)になる人

多くの都道府県では、以下の年齢の方に対して税率を50%軽減するなどの措置を設けています。


  • 65歳以上70歳未満の方


【注意】「自己申告」と「証明書」がないと免除されません

ここが最大の落とし穴です。ゴルフ場側は、あなたの年齢を外見や予約データだけで判断して自動的に免除することは(原則として)できません。


手続きの流れ:

  1. チェックイン時にフロントで「非課税対象者です」と伝える。

  2. 公的証明書(運転免許証、健康保険証、マイナンバーカード、障害者手帳など)を提示する。

  3. ゴルフ場に備え付けの「非課税申請書」に氏名などを記入する。


「精算の時に言えばいいや」は厳禁です。 多くのゴルフ場では、チェックアウト時のシステム修正が困難なため、受付時の申告をルールとしています。


4. 「二重課税」の議論:なぜ批判が多いのか?

ゴルフ場利用税を語る上で避けて通れないのが「二重課税」の問題です。


納得がいかない理由

ゴルファーが支払う料金には、以下の2つが含まれています。

  1. 消費税(10%)

  2. ゴルフ場利用税


「サービスを受けて消費税を払っているのに、なぜさらに別の税金を取るのか?」という不満は当然のものです。これに対し、政府や自治体は以下の「理屈」で存続させています。


自治体側の言い分

  • 受益者負担: ゴルフ場を維持するために、周辺の道路整備や環境保全(土砂崩れ防止など)に地方自治体が多額の予算を使っている。そのコストを、利用者に負担してほしい。

  • 財源の確保: ゴルフ場利用税は、年間で約400億円以上の税収があり、その7割が市町村に入ります。「これがないと村の予算が組めない」という切実な自治体が多いため、廃止が難しい。


しかし、スキー場やテニスコートには同様の税金がないことから、「ゴルフだけを狙い撃ちにするのはスポーツ振興の観点からも時代遅れだ」という声が日本ゴルフ協会(JGA)などを中心に根強く発信されています。


5. 【経理・税務】ビジネスゴルフの正しい処理とインボイス対応

ここからは、経営者や経理担当者向けの実務的な解説です。接待ゴルフなどの経費精算において、ゴルフ場利用税は非常にミスが起きやすい項目です。


勘定科目と消費税の区分

結論から述べます。

「ゴルフ場利用税」には、消費税がかかりません(不課税)。

項目

勘定科目(例)

消費税区分

プレー代・カート代

接待交際費

課税 (10%)

飲食代

接待交際費

課税 (10%)

ゴルフ場利用税

接待交際費 / 租税公課

不課税

緑化協力金(任意)

接待交際費 / 寄付金

不課税

インボイス制度下での仕訳の注意点

インボイス制度(適格請求書等保存方式)が始まり、領収書のチェックが厳密になりました。


誤った仕訳の例:

総額 15,000円(うち利用税800円)を、全額「接待交際費(10%課税)」で入力。

→ これを行うと、本来払っていないはずの「800円分の消費税」を控除してしまうことになり、税務調査で否認されるリスクがあります。


正しい仕訳の例:

  • (借方)接待交際費(課税) 14,200円 /(貸方)現金 15,000円

  • (借方)接待交際費(不課税) 800円

※利用税を「租税公課」という科目で分けても良いですが、管理上は「接待交際費」の中で「税区分を不課税にする」処理が一般的です。


6. よくある疑問 Q&A

Q1. ハーフ(9ホール)プレーの場合、税金も半分になりますか?

A. 原則として、半分にはなりません。

ゴルフ場利用税は「1日1回の利用」に対してかかる税金です。18ホール回っても、ハーフだけで終わっても、基本的には同額が徴収されます。ただし、一部の自治体やコースでは「早朝・薄暮プレー」向けに特別に低い等級(税率)を申請しているケースもあります。


Q2. ゴルフ練習場(打ちっぱなし)でも税金はかかりますか?

A. かかりません。

ゴルフ場利用税の対象は、あくまで「コース(18ホール換算で一定の基準を満たす施設)」です。練習場やシミュレーションゴルフ、パターゴルフなどは対象外です。


Q3. セルフプレーでも税金はかかりますか?

A. かかります。

キャディ付きかセルフかに関わらず、施設を利用したことに対して課税されます。


Q4. ゴルフ会員権を持っているメンバーは安くなりますか?

A. 利用税自体は安くなりません。

メンバー料金でプレー代そのものは安くなりますが、ゴルフ場利用税は「そのコースの等級」で決まるため、メンバーもビジターも同じ税額を支払うのが原則です。


7. 専門家としての視点:ゴルフ場利用税の今後

現在、ゴルフ場利用税を巡る状況は大きな転換期にあります。


2020年の東京オリンピックを契機に「ゴルフは贅沢品ではなく、心身の健康に寄与するスポーツである」という認識が広まりました。文部科学省も廃止を要望していますが、総務省(地方自治体側)が財源確保を理由に強く反対しており、全面廃止には至っていません。


しかし、「非課税対象の拡大」(例:以前は非課税枠がもっと狭かった)などは着実に進んでいます。今後も、ゴルフというスポーツをより身近にするために、税制の簡素化・適正化が進むことが期待されています。


8. まとめ:賢いゴルファー・経営者であるために

ゴルフ場利用税は、数百円から千円程度の小さな税金かもしれません。しかし、その背景には歴史的な経緯や地方自治体の財政事情が複雑に絡み合っています。


【重要ポイントのまとめ】

  1. 地域とランクで金額が違う: 300円〜1,200円の幅がある。

  2. 70歳以上・18歳未満は非課税: 免許証などの提示を忘れずに!

  3. 経理処理は「不課税」: 消費税の二重計上に注意。


ビジネスにおけるゴルフは、信頼関係を築くための大切なツールです。税金の仕組みを正しく理解し、正しく処理することで、公私ともに「スマートなゴルファー」を目指しましょう。


根拠資料・参考ソース一覧

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