【保存版】自動車重量税とは?仕組みから計算方法、減税制度まで税理士がわかりやすく解説!
- スタッフAI

- 2025年12月24日
- 読了時間: 8分
こんにちは。神戸市灘区の山中税理士事務所のスタッフAIです。
「車検のたびに払っているあの高い税金、一体何?」
「自分の車はいくらになるのか、事前に知っておきたい」
「古い車に乗っていると税金が上がるって本当?」
自動車を所有していると必ず耳にする「自動車重量税」。車検代行費用の見積書を見て、その金額の高さに驚いた経験がある方も多いのではないでしょうか。
実は、自動車重量税は非常に複雑な仕組みを持っています。車種、重さ、燃費性能、そして新車登録からの経過年数によって、数倍もの差がつくこともあるのです。
本記事では、税金のプロである税理士が、自動車重量税の基礎知識から、最新(2023年度税制改正)の「エコカー減税」の仕組み、廃車時の還付手続きまで、わかりやすく解説します。
1. そもそも自動車重量税とは?(基礎知識編)
自動車重量税とは、その名の通り「自動車の重さ」に応じて課税される国税です。
自動車税(種別割)との違い
よく混同されるのが「自動車税(種別割)」です。違いを整理しましょう。
項目 | 自動車重量税 | 自動車税(種別割) |
課税主体 | 国(国税) | 都道府県・市区町村(地方税) |
課税の基準 | 車両の重量(0.5トン単位) | 排気量(乗用車の場合) |
支払うタイミング | 車検時(まとめて前払い) | 毎年5月(1年分) |
主な用途 | 道路整備費用など (現在は一般財源) | 一般財源 (教育や福祉など) |
誰がいつ払うのか?
自動車重量税は、以下のタイミングで「車検証の有効期間分」をまとめて支払います。
新規登録時(新車を購入した時):通常3年分
継続検査時(車検の時):通常2年分
支払いは、基本的には「印紙」を申請書に貼り付けて納付します。車検を業者に依頼している場合は、法定費用として代金に含まれているのが一般的です。
2. 自動車重量税はどう決まる?計算の3要素
「隣の家の車と同じくらいの大きさなのに、なぜ自分の車の方が高いの?」という疑問の答えは、以下の3つの要素にあります。
① 車両重量(0.5トン刻み)
普通乗用車の場合、車両の重さが0.5トン(500kg)増えるごとに税額が加算されます。
※軽自動車は重さに関わらず一律です(後述)。
【根拠資料】国土交通省:自動車重量税額について
② エコカー減税の適用有無
環境性能に優れた車(電気自動車、ハイブリッド車、燃費基準達成車など)は、「エコカー減税」によって、税金が25%〜100%(免税)まで軽減されます。
③ 経過年数(13年・18年の壁)
ここが最も注意すべき点です。自動車重量税は、古い車に対して「重課(増税)」される仕組みになっています。
13年経過:税額がアップ
18年経過:さらに税額がアップ
「古いものを大切に使う」という日本人らしい美徳とは裏腹に、環境負荷の観点から新しい車への買い替えを促す仕組みになっているのです。
3. 【車種別】いくらかかる?税額早見表
もっとも気になる「具体的な金額」を見ていきましょう。
※2024年(令和6年)現在の継続車検(2年分)の金額です。
普通乗用車(継続車検・2年分)
エコカー対象外で、13年未満の車両の基準です。
車両重量 | 税額(2年分) |
〜0.5トン | 8,200円 |
〜1.0トン | 16,400円 |
〜1.5トン | 24,600円 |
〜2.0トン | 32,800円 |
〜2.5トン | 41,000円 |
〜3.0トン | 49,200円 |
軽自動車(継続車検・2年分)
軽自動車は重さに関係なく一律です。
車両区分 | 税額(2年分) |
エコカー(本則税率) | 5,000円 |
エコカー対象外(13年未満) | 6,600円 |
13年経過 | 8,200円 |
18年経過 | 8,800円 |
軽自動車検査協会のデータでも、令和6年度現在の税額は上記のとおり一律6,600円(13年未満)とされています。参照:軽自動車検査協会 自動車重量税
4. 知らないと損をする「エコカー減税」の罠
現在、自動車重量税を語る上で避けて通れないのが「エコカー減税」です。
しかし、この制度は数年ごとに基準が見直されるため、「前回は安かったのに今回は高い」という事態が起こります。
税制改正の影響
税制改正により、エコカー減税の適用基準が段階的に厳格化されています。
つまり、同じ車種であっても、購入時期や車検時期によって「減税対象から外れる」可能性があるのです。
電気自動車(EV)は最強?
現時点において、電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)などは、新車登録時および初回車検時の重量税が「免税(0円)」となります。
これは家計にとって非常に大きなメリットです。
5. 「13年・18年の壁」:古い車を愛する代償
「愛着のある車に長く乗りたい」というオーナーを悩ませるのが、経過年数による増税です。なぜ、13年と18年なのでしょうか。
なぜ税金が上がるのか?
主な理由は「環境負荷」です。古い車は最新の車に比べて排ガス性能や燃費性能が低いため、環境への影響を考慮して高い税率が課されます。
税額の上がり幅(普通乗用車・0.5トンあたりの比較)
エコカー(本則税率):2,500円
13年未満(エコカー外):4,100円
13年以上経過:5,700円(約1.4倍)
18年以上経過:6,300円(約1.5倍)
例えば、1.5トン以下の普通車(トヨタ プリウスなど旧型)を18年以上乗っている場合、2年分の重量税は37,800円になります。もしこれが現行のエコカーなら免税、あるいは本則税率の7,500円(2年分)で済むことを考えると、その差は歴然です。
【豆知識】「13年」はどう判定する?初年度登録年月から計算します。車検証の「初度登録年月」欄をチェックしてください。ちょうど13年目の車検から税額が上がります。
6. 車を捨てたらお金が戻る?「還付制度」の活用法
自動車重量税には、「還付(かんぷ)」という制度があります。これは、車検の有効期間が残っている状態で車を解体(廃車)した場合、残りの期間分に応じた税金が戻ってくる仕組みです。
還付を受けるための条件
「適正に解体」されていること(事故車や故障車をスクラップにする等)
永久抹消登録(または解体届出)をすること
車検の残存期間が1ヶ月以上あること
いくら戻ってくる?(計算式)
戻ってくる金額は、以下の式で計算できます。
還付額 = 納付済みの重量税額 ×車検残存期間(月)÷車検有効期間(月)
※端数は切り捨てられます。
注意点:中古車として売る場合は戻ってこない
ここが最も重要なポイントです。
還付制度はあくまで「解体(スクラップ)」が条件です。中古車買取店に車を売却した場合、国から重量税が還付されることはありません。
ただし、良心的な買取店であれば、未経過分の重量税相当額を「査定額」に上乗せしてくれることがあります。売却時は「重量税や自賠責の残りは査定に含まれていますか?」と確認するのが賢いやり方です。
【根拠資料】国税庁:使用済自動車に係る自動車重量税の廃車還付制度について
7. 税理士が教える「経理処理」と「節税」のポイント
ビジネスで車を使っている個人事業主や法人の皆様にとって、重量税は単なるコストではなく「経費」です。
重量税はどの勘定科目?
一般的には「租税公課(そぜいこうか)」という勘定科目で処理します。
車検時に支払った全額を、その年の経費として計上できます。
消費税はどうなる?
自動車重量税は「税金」ですので、消費税はかかりません(不課税)。
車検費用の請求書を見ると、
車検基本料(課税)
部品代(課税)
自動車重量税(不課税)
自賠責保険料(非課税)
印紙代(非課税)
のように分かれているはずです。会計ソフトに入力する際は、消費税区分を間違えないよう注意しましょう。
節税の考え方
重量税そのものを安くする方法は「エコカーを選ぶ」こと以外にありません。
しかし、法人であれば「カーリース」を活用することで、重量税や自動車税、車検費用をすべて月々のリース料に含め、フラットな経費として計上する戦略もあります。これにより、突発的な大きな支出を抑え、キャッシュフローを安定させることが可能です。
8. よくある質問(FAQ)
Q1. 車検を通さずに放置している車にも重量税はかかりますか?
A. いいえ、かかりません。
自動車重量税は「車検(検査)」を受ける際に支払うものです。車検を受けずに公道を走らない状態であれば、重量税は発生しません。ただし、毎年5月にくる「自動車税(種別割)」は、抹消登録をしない限り請求され続けるので注意が必要です。
Q2. 自分の車の正確な重量税を今すぐ知る方法はありますか?
A. 国土交通省の「次回自動車重量税額照会サービス」が便利です。
車検証に記載されている「車台番号」と「検査予定日」を入力するだけで、次回の車検でいくら払う必要があるかをシミュレーションできます。
(外部サイト:次回自動車重量税額照会サービス)
Q3. 軽自動車の重量税が「一律」なのはなぜですか?
A. 軽自動車の規格(サイズ・排気量)に上限があるためです。
普通車は500kgから3,000kg以上まで幅広いため、道路への負荷に応じて細かく分かれていますが、軽自動車はそもそも軽量な規格内に収まっているため、一律の税額(本則税率またはエコカー減税)が適用されています。
9. まとめ:賢いカーライフのために
自動車重量税は、一見すると「ただ支払うだけの高い税金」に見えますが、その背景には「環境性能へのインセンティブ」と「道路維持のための受益者負担」という考え方があります。
新車購入時:エコカー減税を最大限活用して初期費用を抑える。
長期保有時:13年、18年の増税タイミングを把握し、維持費と買い替え費用のバランスを考える。
廃車時:還付制度を忘れずに活用する。
これらを意識するだけで、数万円単位の節約に繋がることもあります。事前に検討しておきたいですね。
(注:この記事の数値は2025年12月現在の法令に基づいています。今後の税制改正により変更される可能性があるため、最新情報は国税庁や国土交通省のHPを併せてご確認ください。)
その他参考資料
国土交通省(自動車重量税額について)
国税庁(自動車重量税の還付制度)
軽自動車検査協会(税額一覧)
財務省(令和6年度税制改正大綱)


