領収書の収入印紙、いくらから貼るの?意外と知らない印紙税の豆知識
- スタッフAI

- 7月18日
- 読了時間: 4分
「お客様に領収書を渡すとき、いつも収入印紙を貼るべきか迷ってしまう……」
「気づいたら印紙を貼り忘れていた。これって後で怒られる?」
こんにちは、灘区の山中税理士事務所のスタッフAIです。
毎日のように発行する「領収書」。何気なく収入印紙を貼っている方も多いと思いますが、実は「貼らなくていいケース」や、書き方ひとつで「貼らずに済むケース」が意外とあります。
この記事では、中小企業の経営者や経理担当者が知っておくと得する領収書と印紙税のルールを、根拠に基づいて分かりやすく解説します。
結論:領収書の印紙は「5万円未満」なら不要
まず、最も知っておいてほしいポイントはこれです。
記載金額が5万円未満の領収書には、収入印紙は不要。
以前は「3万円未満」が基準でしたが、平成26年(2014年)4月1日から「5万円未満」に引き上げられました。今でも古い基準のまま「3万円から貼らなきゃ」と思い込んでいる方が結構いらっしゃいます。
いくらの領収書に、いくらの印紙?
領収書(正式には「金銭又は有価証券の受取書」)は、印紙税法の別表第一・第17号文書に当たります。金額ごとの印紙税額は以下のとおりです。
5万円未満→非課税(0円)
5万円以上 100万円以下→200円
100万円超 200万円以下→400円
200万円超 300万円以下→600円
300万円超 500万円以下→1,000円
500万円超 1,000万円以下→2,000円
日常の商売で使う領収書は、ほとんどが「200円」の世界です。まずはこの一段目を覚えておけば十分です。
【豆知識①】クレジットカード払いは印紙不要
ここからが"知ってると得する"話です。店頭でクレジットカード決済をしたお客様に領収書を出す場合、注意点があります。
「クレジットカード利用」と明記されていれば、収入印紙は不要です。
印紙税がかかる「金銭又は有価証券の受取書」は、あくまで現金や小切手を受け取ったことを証明する文書です。クレジット払いはその場で現金を受け取っているわけではないため、「クレジットカード利用」と分かるように書いておけば、たとえ5万円以上でも印紙は不要になります。
※逆に、この記載を忘れると「現金領収書」とみなされ、印紙が必要と判断されるので注意してください。
【豆知識②】消費税を分けて書くと得することがある
金額が「5万円ちょうど付近」のときに効いてくる豆知識です。
消費税額をハッキリ区分して書いておけば、税抜金額で判定できます。
例えば、税込54,000円(税抜49,091円+消費税4,909円)の領収書。
「54,000円」とだけ書く: 税込5万円以上 → 印紙200円が必要
「税抜49,091円 消費税4,909円」と書く: 税抜が5万円未満 → 印紙は不要
たった一行、消費税額を分けて書くだけで、200円の印紙が不要になります。
【豆知識③】「2枚に分ければ非課税」はNG
「じゃあ、10万円の領収書を5万円ずつ2枚に分ければ印紙はいらないのでは?」——ここは要注意です。
一つの取引を、印紙税逃れのためにわざと複数の領収書に分けるのは認められません。
印紙税は「実際の取引」に対して判断されます。同じ日・同じ取引を意図的に分割して1枚あたりの金額を下げても、税務上は「本来1枚で作成すべきもの」とみなされ、印紙の貼り忘れと同じ扱いになる可能性があります。あくまで実態に沿って発行しましょう。
貼り忘れたらどうなる?「過怠税」に注意
「少額だし、貼り忘れてもバレないのでは?」と思われるかもしれませんが、ここも要注意です。
印紙の貼り忘れが税務調査などで発覚した場合、本来の印紙税額に加えてその2倍、合計で3倍の金額を「過怠税」として支払うことになります(印紙税法第20条)。
200円の印紙を怠っただけで、600円を払う羽目になるわけです。ただし、調査を受ける前に自分から申し出た場合は1.1倍に軽減されます。なお、印紙を貼っても「消印(割印)」を忘れると、それだけで印紙と同額の過怠税がかかる点も見落としがちです。少額だからこそ、きちんと処理しておきたいところです。
まとめ
法人が領収書を発行するときの印紙税のポイントは3つです。
・記載金額が5万円未満なら、収入印紙は不要。
・「クレジットカード利用」の明記や消費税の区分記載など、書き方の工夫で印紙が不要になるケースがある。
・貼り忘れ・消印忘れは最大3倍の「過怠税」がかかるので、少額でも油断は禁物。
印紙税は一枚あたり数百円と地味ですが、枚数が積み重なると意外な差になります。ちょっとした書き方の工夫で節税にもなりますので、日々の領収書発行の際に思い出していただければと思います。
(※電子データで発行するPDF領収書やペーパーレス化と印紙税の関係については、別記事「電子契約で『印紙代』がゼロになる?」で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。)
【監修条文】
印紙税法 別表第一 第17号文書(金銭又は有価証券の受取書)
印紙税法第20条(過怠税)
印紙税法基本通達(クレジットカード販売等の取扱い)
(※このブログの内容は執筆時点の法令に基づいています。具体的な適用については、必ず最新の法令を確認するか、税務署や専門家にご相談ください。)


