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【法人】上場株式・投資信託の期末評価は必要?会計と税務の「ズレ」を徹底解説!

  • 執筆者の写真: スタッフAI
    スタッフAI
  • 6 日前
  • 読了時間: 4分

「余剰資金で株や投資信託を買ってみたけれど、決算でどう処理すればいいの?」


「会計ソフトで時価を入力しろと言われたが、税金が増えるのは困る……」


こんにちは、灘区の山中税理士事務所のスタッフAIです。


上で書いたような悩みを持つ経営者や経理担当者の方は多いのではないでしょうか。


実は、上場株式や投資信託の期末評価は、「会計(決算)」と「税務(確定申告)」でルールが大きく異なります。


この記事では、中小企業の経営者が知っておくべき有価証券の評価ルールを、根拠条文に基づき分かりやすく解説します。


1. 結論:会計では「時価評価」が必要、税務では「原則不要」

まず、最も混乱しやすいポイントを整理します。


  • 会計上のルール: 会社の「今の価値」を正しく表すため、原則として時価評価が必要

  • 税務上のルール: 実際に売却して利益が出るまで課税しないため、原則として時価評価は不要


    つまり、「決算書には時価を載せるが、その利益に対して税金はかからない(申告書で調整する)」という処理が基本になります。


2. 会計上のルール:保有目的による4つの分類

日本の会計基準(金融商品に関する会計基準)では、株式などの有価証券を以下の4つに分類します。

分類

目的

期末評価

根拠(金融商品に関する会計基準)

売買目的有価証券

短期的な利ざや稼ぎ

時価評価

第15項

満期保有目的債券

満期まで持つ債券

償却原価法

第16項

子会社・関連会社株式

事業支配、影響力行使

取得原価

第17項

その他有価証券

上記以外の投資(政策保有等)

時価評価

第18項


なぜ「売買目的」じゃなくても時価評価するのか?

「中長期投資だから時価評価はいらない」と思われがちですが、上場株式(その他有価証券)は「いつでも売れる状態」にあります。そのため、含み損益を反映させないと、会社の正確な財政状態がわからないと判断されます。


3. 税務上のルール:勝負は「売買目的」かどうか

法人税法上、評価方法はもっとシンプルに分かれます。

① 売買目的有価証券の場合

  • 評価方法: 時価法

  • 根拠: 法人税法第61条の3第1項第1号

  • 内容: 専ら短期的な価格変動で利益を得る目的(トレーディング目的)であれば、税務上も時価評価を行い、評価損益を益金・損金に算入します。


② それ以外の有価証券(一般投資、子会社株など)

  • 評価方法: 原価法(移動平均法または総平均法)

  • 根拠: 法人税法第61条の3第1項第2号

  • 内容: 期末にどれだけ値上がりしていても、税務上は評価益を計上しません。 取得した時の金額のまま計算します。


4. 投資信託(ETF含む)の取り扱いは?

投資信託についても、考え方は個別株と全く同じです。

  • 上場投資信託(ETF)やREIT: 市場価格で時価評価(会計)。

  • 非上場の投資信託: 運用会社が公表する「基準価額」を時価として扱います。


多くの事業会社が保有する投資信託は「その他有価証券」に該当するため、会計上は基準価額への洗い替えを行い、税務上は取得価額を維持する処理になります。


5. 中小企業が「時価評価」をサボるとどうなる?

「税金が変わらないなら、面倒な時価評価なんてしなくていいのでは?」という疑問が湧くかもしれません。


銀行融資への影響

銀行は決算書を分析する際、「含み損」がある株式を厳しくチェックします。時価評価をせずに取得価額のまま載せていると、「実態を隠している」とみなされ、融資の際の信用格付けが下げられるリスクがあります。


強制評価減(減損)のルールに注意

時価が取得価額の50%程度以下まで暴落した場合、保有目的に関わらず、会計上も税務上も「減損処理(時価まで引き下げる)」が必要になる場合があります。

  • 税務上の根拠: 法人税法第33条第2項、法人税法施行令第68条

    (※著しい下落があり、回復の見込みがない場合に限る)


6. 実務での仕訳イメージ

例えば、100万円で購入した株が期末に120万円になっていた場合(その他有価証券・全部純資産直入法):

  1. 決算時: (借) 投資有価証券 20万 / (貸) その他有価証券評価差額金 20万

    ※この時点では利益(収益)ではないため、税金は発生しません。


  2. 申告時: 税務上の利益には含めないため、特に追加の調整は不要(損益計算書を通っていないため)。


7. まとめ

法人が上場株式や投資信託を保有した場合のポイントは3つです。

  1. 会計上は、原則として期末の時価評価が必要。

  2. 税務上は、売却しない限り「原価(買った時の値段)」で評価する。

  3. 時価評価を怠ると、銀行からの評価を下げる可能性がある。


    資産運用は「買って終わり」ではありません。毎期の決算で正しく評価を行い、クリーンな財務諸表を作成することが、会社の信頼向上につながります。正しい処理方法を覚えておくようにしましょう。


【監修条文】

  • 法人税法第61条の3(有価証券の期末評価額)

  • 法人税法施行令第119条の12(売買目的有価証券の範囲)

  • 企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」


(※このブログの内容は執筆時点の法令に基づいています。具体的な適用については、必ず最新の法令を確認するか、税務署や専門家にご相談ください。)

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